「友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする」
これはドイツの思想家、シラーの言葉。
この言葉は、中学か高校の生徒手帳の片隅にのっていた名言。
生徒手帳には枠外に歴史人の名言がのっていて、授業中のヒマなときは、それを読むのが日課だった。
もうひとつ覚えているのは「天には星、地には花、人には愛」という武者小路実篤の言葉。
さて先日、
学生時代の友人を招いてバーベキューを開催した。
これは数年に一度の恒例行事になっているが、
東京や新潟など遠方から栃木へと来てくれた友人に、我が家流のバーベキューを振舞うというもの。
大学時代をともにした仲間だが、なかなか全員が集まることができない。
しかし、この仲間は言葉や時間を超えたつながりがある気がしている。
ぼくが白血病を患ったときに、まるで自分のことのように悲しみ、そして助けてくれた仲間たちだ。
骨髄移植を受ける前には、募金集めの一環として、
病状を報告するブログを立ち上げてくれたり、写真展を開催するために奔走してくれたり、
本当に感謝しきれないほどに助けてくれた友人たち。
今はそれぞれが父になり、母になり、ある友は経営者として、それぞれの道で活躍する仲間たち。
病気を経験してわかったことは、友人のありがたさ。
本当の意味での人間の優しさを知る機会に恵まれたのだ。
「見返りを求めない心」こそが本当の優しさなのだと思う。
ぼくは結婚式を挙げていないが(闘病時期が長かったので式を挙げないことにした)、
この友人たちはサプライズで、ある場所を貸し切って自前の結婚式まであげてくれたのだ。
さすがにこれは驚きとともに涙なみだのサプライズだった。
(このときも栃木にある温泉施設のバーベキュースポットだった。笑)
今思えば白血病の闘病中はほんとうに多くの人に助けられた。
撃鉄を食らったようなショックのなか、
家族をはじめ、アメリカの入院生活を支えてくれた友人たち、
移植までの道のりをたくさんの友人たちに助けられてきた。
一人では受け止められないような悲しみは、
支えてくれた人たちのおかげでどんどん希釈(きしゃく)していった。
いつしか悲しみが勇気に変わり、
骨髄移植という重い治療を乗り越えるパワーになった。
その感謝の気持ちが今の自分を作っているのだと感じる。
そしてこの仲間たちには、感謝の思いを一生、、、
人の一生なんてとても短いものかもしれないけど、一生忘れることはない。
ぼくらも父になり、母になり、自分では気づかないうちに歳を取っていく。
いつか子どもが大きくなったときに、ぼくが友人から教えてもらった「本当の優しさ」を伝えてあげようと思う。
友情は喜びを2倍にし、そして悲しみを半分にしてくれることを・・・。
YAZAWA、感謝の気持ち忘れません。