サーフレジェンドのジェリーロペスの言葉に、
「サーフィンとは”禅”である」という言葉がある。
この言葉が意味するものは?
分かるようで分からない。
分からないようで分かる。
そんな疑問がいつもあった。
「静的な禅」に対して、「動的なサーフィン」。
この何が同一なのだろうか、と。
この答えに一歩近ずくような思想、
それは、ぼくが起業家として尊敬するスティーブ・ジョブズの言葉にあった!
「じっと座って観察すると、
自分の心がいかにひとところに留まっていないかがわかる。」
ジョブズは座禅をこよなく愛した経営者として知られている。
心を落ち着けて内的自分を見つめ直す、座禅にはそのような効果があるようだ。
「とらえにくいものの声が聞こえるようになる。
その瞬間に、直感が花開いて、
物事がくっきりと見え始め、
もっと今この時を生きられるようになる」
座禅をすることで、
「今この瞬間に意識を向ける」ことができると語っている。
なるほど納得!!
これは話題のマインドフル・アウェアネスにも通ずる考え方ですね。
※マインドフル・アウェアネス
瞑想など、禅の手法を用いたメンタルトレーニング。
感情をコントロールすることを目的にスポーツやビジネス界でも注目されている。
プレゼンの上手さで有名なジョブズだけに、言葉が胸に刺さります。
この思想は、まさにサーフィンと重なる部分ではないだろうか。
普段生きていると、
自分の思考イメージはさまざまな時間軸を飛び交う。
あの時もっとこうすれば良かった。
自分の将来はどうなっているのだろうか?
こんな夢を叶えたい。
などなど過去や未来を行ったり来たりと。
それがサーフィンをしている最中は、まさに今その瞬間のことに集中している。
その日の斜面に合わせてテイクオフを反芻する自分。
いつセットはやってくるか?
良い波に乗るためのベストなポジショニングはどこか?
どのようなラインで乗るのが最良か?
思考回路はすべて波に向けられて、この世に存在するのは、まるで自分と波だけかのように。
ただただシンプルな世界のなかに放り込まれる。
これこそが今この瞬間を生きる強さではないか!
そして禅と同一の思想がここに流れている。
デイブ・ラスタビッチは、サーフィンの魅力についてこう答える。
「サーフィンはいつも俺に教えてくれる。
サーフィンをしているとき、
善悪や生き方など現実的なことをいろいろ考えてると、
バランスを失って毎回ボードから落ちる。
でも、ただ無心にサーフィンすれば、
生涯最高のサーフィンができるだろう。
チューブライドやクールな体験ができるはずだ。
つまり俺たちは、
どんな風にサーフィンするとしても、
こんな気持ちでテイクオフする。
目の前に現れた波に乗る。
他のことを考えてる余裕なんてない。
次の日の予定や人からの評価なんて関係ない。
状況に対応するだけ。
集中して立ち向かえば最高の結果が生まれる。
サーフィンの魅力は、
自然への敬意や、それを取り巻くすべて。
そのすべての要素が、
俺がサーフィンをする理由さ」
今この瞬間を生きること。
過去にとらわれることなく、また未来に思い悩むことなく、今この時を見つめて生きる。
いつかそのシンプルな境地に辿り着けるよう、今も座禅しながらブログを書いている。
…と、この辺で足がしびれてきたので終わりにします。
いやはや、無心とは難しいものである。