こんばんは!!
今日は1月11日、ラッキーナンバー111ですね。
さて昨年のブログでは、
ターニングポイントと題しまして、
人生のさまざまな分岐点について書いてきました。
今回はその完結編。
「ターニングポイント 〜巻き返せるチャンス~」をお送りします。
カリフォルニア留学生活も4年がすぎた頃、
自分ひとりでは到底手に負えない出来事に見舞われました。
まさに崖から転げ落ちるような日々の始まり・・・。
驚くことに白血病(CML)にかかってしまったのです。
その後アメリカで約9日間の入院治療を施され、
骨髄移植を受けるために日本に帰国。
余談ですがアメリカでかかった医療費は900万円強、
不幸中の幸いか、何とか保険でまかなえました。
日本帰国後には骨髄のタイプが合うドナーを探し、
移植までには約1年を要しました。
その後すばらしいドナーさんとめぐり会えて、
2006年、無事に移植手術が成功。
(無記名での手紙のやり取りが許されるのですが、
ドナーさんは本当に思いやりある方で涙したことを覚えています。)
移植後は体力も激減して、移植副作用との闘いの始まり。
その闘病記録はさておき、今日はその闘病生活から得たものを綴りたいと思います。
病気が分かったのはサーフィンで怪我をしたことから。
いつも通りの何気ないライディングを終えた後に、
太腿にビリビリという大きな痛みを感じました。
その軽い筋の痛みが内出血となり腫れ上がり、
その夜には太腿が2倍ほどの太さに。
翌早朝、緊急でホスピタルに連れられて、精密検査でその病名が発覚。
サーフィン中の些細な怪我、
今では”波乗り”が病気を教えてくれたんだと思っています。
担当医が決まった際にもひと驚き!
よく波乗りに通った有名スポット「スワミーズ」で、
顔を合わせたことがあるサーファーだったのです。
海で言葉を交わしたことはありませんでしたが、病室でいきなり担当医から、
Dr.「Jun、キミはよくスワミーズで入ってるアジア人じゃないか?」
Jun「そうだけどなぜ知ってるの!?」
Dr.「ぼくは家族とよくサーフィンに行くんだけど、キミはピークからずれた人の少ない場所でよく入ってるよね?」
Jun「あっ、あなたはインサイドで子供にサーフィンを教えてるよね!」
Dr.「そうそう、キミがアジア人だからすぐわかったよ!」
Jun「こんな出会いもあるんですね。」
Dr.「そうだね。わたしはDr.バスドゥ、初めまして・・・じゃないね。(笑)」
Jun「そうですね(笑)、よろしくお願いします。」
Dr.「病気を一緒に打ち負かそう。」
看護婦さんも目を丸くするような、
ウソのような本当の話で楽しい入院生活になったんですよ。
異国の入院治療で心からの安心と信頼を得られる出来事でした。
ちなみにスワミーズはサンディエゴ群屈指の激込みブレイク。
ぼくは10本に1本だけ入るピークからずれた場所でいつも波乗りしていました。
そんな些細なことが運命を分ける出会いに繋がるなんて、
人生は不思議なカラクリに満ちています。
しかしながら、2005年の病気発覚からサーフィンが出来なくなり、
何度も心が倦みそうになったことを覚えています。
最悪な状況への恐怖。
夢や希望への挫折感。
そんな中でまずはじめに持った目標は、
なにがあってもあきらめないこと。
そしてサーフィンに復帰すること。
無菌室のベッドに横たわるだけの日々でも、
周りの人々に励まされ支えられ着実に進んできました。
“窓の外すがすがしく晴れてれば晴れてるほど、
哀しくなるのはとても寂しいことだと思います。
胸の痛みと手をつないで明日を迎えよう。”
これを乗り越えればまた“すばらしいチャンス”がやってくるんだ、と。
(この一節はB’zさんの『wonderful opportunity』から得ました。闘病中はこの曲にすごく励まされたんですよ!)
いつも心には波を思い浮かべて、
辛い時は目を瞑り楽しく波に乗る自分をイメージ。
リハビリがスタートしてからは、
「そろそろ波乗り復帰ができるのでは?」
なんていう甘い気持ちになりましたが、
先生からは「もう数年は無理です」と忠告を受けたり・・・。
(自分の状況を考えれば無理なことは分かっていたんですけどね。)
そんな事から海に関する情報をシャットアウトして、
逆にサーフィンを遠ざける生活をした日々もありました。
免疫力の低下で海に入ること自体が許されなかったのです。
まぁリハビリ後は基礎体力があったせいか、
体力の回復がとても早かったようですよ。
そしてようやく今年、
丸6年を経過してサーフィンに復帰することができたのです。
ぼくにとってはまさに、
これからが波乗りできなかった日々を巻き返せるチャンス!!
波乗りを復帰した今36歳、
週2回の海として年間104日ほどサーフィンができます。
60歳まであと24年間続けても約2500回しかサーフィンできないのですね。
そう考えるとオフショアの美しい波もオンショアのガタガタの波も、
どうせなら同じだけ楽しみたいと思ってしまいます。
たとえ海に行けない日々を送っていても、
きっとどこかで美しい波に笑顔で乗っている人がいる。
その景色を心に想い、
自分に重ね合わせることで、
いざ波乗りに行ったときの差はとても大きいものです。
闘病を経験してそんなことを学びました。
人間の持つ思い(またはイメージ)の強さ、
その可能性は計り知れないパワーを持っているようです。
今日は長々と書いてしまいましたが、
言いたいことはたった一言なんです。
『波乗りをやっていて良かった〜♪』