サーフィンのすすめ 〜マイ・ターニングポイント〜

【ターニングポイント・・・転換点。転機。巻き返せるチャンス。】
生きていれば、人生のターニングポイントと呼べるいくつかの機会に出会うことがある。

思い返せば18の春、
ぼくがサーフィンと出会ったのは高校を卒業して間もなく、
車の免許を取ってすぐに遊びに行った海でのことでした。

たまたまオーストラリアに留学をしていた友達がサーフボードを持っていて、
その彼と一緒に茨城の阿字ケ浦に向かいました。

親に借りたセダンの後部座席の窓を開けて、
サーフボードを横に寝かせてノーズは窓からコンニチハ。

今思うとかなり危険な荒技で海に行っていましたね(笑)。

たった1本のサーフボードで遥か沖に向かい、
海水が動めく波の上を滑る不思議さ。

そんなサーフィンの果てしない魅力に取り憑かれ、
それからは毎週末に海に行くようになりました。


無心でガムシャラに腕を回して、
サーフボードが波の力で勢い良く走り出す。
はじめてボードの上に立てた喜びは忘れられません。

次の瞬間には白い波にモミクチャにされてしまい、
それでも海中で大声を張り上げて笑った記憶があります。

波の上を巧みに滑る人たちを見て興奮するとともに、
いつかは自分もそうなれるのかと不安になることもありました。

はじめて経験する台風の大波に海の恐ろしさを知り、
沖に出れず何度も打ちのめされてビーチで体育座りした日。

勇気を振り絞ってパドルした波に、
真っ逆さまに振り落とされて海中2回転半を決めることも・・・。

真冬の海で凍えながらも奮起して入水する日。
流れがきつくてただただパドルしているだけの日。

それでもまた海に向かうのは、
1本の波への滑走が無限の感動を与えてくれるからだと感じています。
たった1本の波が人生を変えてしまうことも波乗りの魅力。

海の中で波と向きあい全てを忘れて楽しめる、
そんなサーフィンの一面を知ったことがありました。

前述したオーストラリアに留学した友達が、
母を亡くして、その次に海に行ったときのことでした。

彼が小さな声でつぶやいた一言、
「海に入っているときだけだな、全部忘れられるのって・・・。」

そのときぼくは何の声もかけてあげられませんでしたが、
今はハッキリと、海が、波乗りが彼を癒していたんだと分かります。

仲間と笑顔で波に乗り合う楽しさ。
ただただ無心でモノゴトに打ち込める幸せ。
それは一方で嫌なことを一瞬でも忘れられる逃げ場にもなるんだ、と。

人の一生の中で心から好きといえる”もの”に出会えることって、
きっと1度か、多くても2度くらいしかないはず!

ぼくにとっては間違いなく、
波乗りと出会った日が”人生のターニングポイント”だったと思います。

ぼくがサーフィンを始めるきっかけになった1行の言葉。

『サーフィンを始めたら人生が変わるよ。』

↑キャスリン・ビグロー監督の映画「ハートブルー(原題:Point Break)」、
その中で出てくる言葉なんですが、
良い波に乗れた日はいつもこの言葉を思い出してしまいます。

映画の中に出てくる波乗り師範ボーディのスタントは、
なんとマット・アーチボルトがやっていたんですよ!
(この12年後に撮影隊としてマットとコスタリカに行くことになるとは・・・)
波乗りが取り持つ縁には不思議なパワーを感じます。

波乗りの良さを数え上げたらキリがありませんね。
まだやったことがない人はぜひ試してみてください!

『きっと、人生が変わりますよ♪』

http://www.nakisurf.com/